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徹底調査!!どこでどんなお酒が売れているの!?酒税法改正案の是非を問う!!

      2015/07/25

酒類の過剰な廉売を規制する酒税法改正案が国民の間で波紋を呼んでいます。この度、国税庁からH25年度の酒類小売業者の実態調査の結果が公表されました。この情報を用いて、本当に酒税法改正案が必要なのかどうかを分析していきたいと思います。

全酒類合計小売数量の業態別数量・構成比

まずは、全国における様々な酒類販売店がどのような割合で存在しているのか!?そして、私たち消費者がどの酒類販売店でお酒を購入しているのかを調べてみました。
下の表をご覧ください!
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一般酒販店は酒類販売業者の48%を占めている

全国で一般酒販店は49,023者あり酒類販売業者のおよそ48%を占めています。ですが小売数量を見ると、全体の15%程度しかありません。

つまり街の酒屋さんはたくさんあるけれど、お酒はあまり売れていないということになります。

スーパーマーケット・量販店・ホームセンター・ドラッグストアーに集中するお酒の購買

スーパー、量販店、ホームセンター、ドラッグストアーは全国の酒類販売業者全体の4.8%しかありません。お酒を購入できる店舗の4.8%とういことになります。

ですが驚くことにこの店舗で購入されるお酒の量は全体の58.6%を占めるのです。

以前のように近くの酒屋でお酒を購入するのではなく、スーパー等買い物に行ったついでにお酒を購入される人がほとんどだということになります。

その理由は手間と価格であることは間違いないでしょう。わざわざ近くの酒屋に高いお酒を買いに行くぐらいならば、少しでも安いスーパーで購入したいと思うのが普通です。

増しては集客の為の酒類の過剰な廉売が見受けられれば、街の酒屋さんがますます苦しい経営状態になると言えます。

この表から見ると、酒類の過剰な廉売を規制する酒税法改正案が提出されるのも分かります。

一方でこれは、2003年の酒類販売自由化がなされた以降での代償とも言えます。酒類販売自由化を自民党が中心になって行ったわけです。

ここに来て「街の酒屋さんがこのままでは潰れるじゃなか!?」って言うのも何だかなーと思います。

酒類販売自由化がなされた時点で、街の酒屋さんのピンチは始まったわけですから、何かしらの差別化を図らなければ、どんどん廃業に陥っていくのも避けられないというのが現実なのでしょう。

業態別、酒類の種類別の販売数量及び構成比

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それでもビールの売れ行きが一番

ビールの販売数量は酒類全体の中でも一番の出荷量で、254万KL余りを販売しています。

販売店の内訳は一般酒販店で24.8%、次いでスーパーマーケットで22.2%、業務用卸店で21.0%となっています。

ビールの販売では一般酒販店の活躍が残っています。ここは私の予想ですが、年齢が高い層が昔からの名残で、街のお酒屋さんでビールを購入しているのだと思います。

一方で、第3のビールも含まれるリキュール類では異なる結果が出ているのです。

No.2の販売数量は第3のビールを含むリキュール類

リキュール類の販売数量は206万KL余りです。

販売店の内訳は、スーパーマーケットで50.8%、次いでコンビニで14.2%、ホームセンター、ドラッグストアーで9.5%となっています。一般酒販店では、5.8%にとどまっています。

発泡酒でも同様の傾向はありますが、子供が小さい働き盛りのサラリーマン世代が第3のビールで我慢しているのだと思います。

30~40代の世帯はスーパーマーケットなどの商業施設を利用する方も多いでしょうから、一般酒販店での購入は自ずと少なくなるのではないでしょうか!?

コンビニでの購入も目立ちます。若いお酒のライトユーザーが、コンビニでチューハイなど軽いお酒を購入しているのでしょう。

本格焼酎はどうでしょう!?

私の好きな本格焼酎分野を見てみましょう。

スーパーマーケットでの購入が実に34.6%を記録しています。次いで量販店が18.7%、一般酒販店が18.6%となっています。

一般酒販店での健闘が見受けられます。要因は二つあると考えられます。

ひとつは、蔵元との繋がりが強い街の酒屋さんが存在し、そのお店に行けば購入できる銘柄がある。

特に鹿児島県や宮崎県の焼酎蔵は小さい蔵も多く存在し、酒屋さんと連携して瓶詰や仕込みを行っているケースがあります。ですので、焼酎蔵と協力する酒屋さんに多く卸されるのです。

珍しい銘柄や、お気に入りの銘柄をその店舗に出向いて購入できるというわけです。

最近では、インターネットによる販売も普及しているため、ネットショッピングで購入する消費者もいるのでしょう。

ふたつめは、本格焼酎は年齢が高い層に人気があるということ。

若者というよりは、年齢が高い層に人気があるのが本格焼酎です。その世代はビールと同様、行きつけの酒屋さんで焼酎を買って帰るのだと思います。

酒税法改正案の提出は妥当なのか!?

確かにスーパーマーケットや量販店、ホームセンター・ドラッグストアーでの酒類販売は実に58.7%になります。特にスーパーマーケットでは37.5%を記録しています。

その一方で、一般酒販店では全体の14.8%しかお酒の売り上げがありません。

年々、スーパーマーケットなどの大型店舗数は増える傾向にある為、自ずと一般酒販店での販売は低下することが予想されます。

これに歯止めをかける意味も含めた酒税法改正案でしょう。大型店舗では、酒類の過剰な廉売をしないまでも十分な顧客を獲得できるでしょう。

ですが、いまさら感は否めません。これまでもたくさんの街のお酒屋さんは廃業になってきています。もう少し早く手を打つべきだったと思います。

消費者からすれば、消費税は上がる!夕食の友のお酒は高くなる!というダブルパンチです。ただでさえ、お酒は酒税が掛けられています。

酒税は減らさずして、販売価格は高騰する!ということが納得できないという意見が大半だと思います。

そうであれば「酒税も見直すから、お酒の安売りもやり過ぎはだめですよ!」というレベルの妥協案が欲しいものです。

街のお酒屋さんも酒処の地方の酒屋さんは根強く頑張ってらっしゃるイメージです。やはり他の酒屋さんとの差別化をはかっていかないといけないのが課題となるのでしょうか!?

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