甲乙混和焼酎の現状、そして伸び悩むわけ
2015/07/28
甲乙混和焼酎の代表的な銘柄は次の通りです。
アサヒ→麦かのか、黒かのか、芋かのか、米かのか
サッポロ→こいむぎ、こくいも
サントリー→むぎのか、はないも
キリン→風の麦、火の麦、火唐
このような甲乙混和焼酎が各大手酒類メーカーより発売されています。御存じの銘柄があったでしょうか!?
甲乙混和焼酎は前述の通り、甲類焼酎の比率が高くなっており、残りの比率を乙類(本格)焼酎によって、各原料由来の味付けを行っていることになります。その比率は各メーカーとも様々です。
焼酎の出荷状況
少しデータは古くなりますが2011年の焼酎出荷量は、甲類焼酎31.5万KL、乙類(本格)焼酎50万KL、甲乙混和焼酎7.3万KLとなっています。割合で見ると 下の図のようになります。
2003年以降、乙類(本格)焼酎が甲類焼酎の出荷量を追い抜きました。焼酎の出荷割合は6割弱が乙類焼酎が占めています。それに対して、甲乙混和焼酎は1割にも満たない状況です。
2014年において、甲乙混和焼酎は10万KL弱と2011年よりは出荷量が上昇していますが、前年並みの実績となり頭打ちになっているようです。
銘柄別に見るとアサヒのかのか、サッポロのこくいもが売り上げが伸びています。(日刊醸造産業速報調べ)
なぜ甲乙混和焼酎は、劇的な飛躍をしないのでしょうか!?
消費者の本物志向
現在ビール業界においては、税金が高いことを理由に第3のビール【クリアアサヒ、金麦、のどごし、麦とホップ】などが主流となっています。
家で飲む場合、とりあえず一杯目はビールという方が多く、財布に優しい第3のビールでも十分だという意見が多いのではないでしょうか!?
本物のビールはたまに外食した時や、職場の飲み会ぐらいで飲めばOKということでしょう。
一方で、焼酎に対する考え方は違うようです。都心の方では、焼酎はちびちびと味わいながら飲みたい!といった意見が多く、がぶ飲みするようなイメージはないのです。
ですから味わい深い焼酎を飲みたいと思うのでしょう。
やはり本格焼酎を甲類焼酎で割った物を飲むよりは、純粋に田舎の蔵で出来あがった風土の香りの詰った焼酎を飲みたいという方が多いのです。
お父さんのちょっとした贅沢だと思ったら良いでしょう。ウイスキー等を飲むイメージと近いのではないでしょうか!?
焼酎業界における本格焼酎は、言ってみれば本物の焼酎だというイメージです。
伝統的な文化として培われた製法を今日まで引継ぎ、そして現代人にあった飲みやすさを追求して造り上げられています。
「ブランド化」された「薩摩焼酎」や「黒霧島」「白霧島」といった銘柄のみならず、九州各地の蔵で造られる本格焼酎を今後とも大切に飲んでいきたいと感じます。
甲乙混和焼酎が飲み悩むわけというのは「消費者の本物志向」から来るものでしょう。
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