酒母にサツマイモを加えるとどうなるの?
2015/06/26
地元の畑から受け入れられたサツマイモは丁寧に洗浄、選別され良質のサツマイモのみが蒸気によって蒸されます。
ホクホクに蒸し上がったサツマイモは食べても美味しいそうですが、芋焼酎造りの場合は粉砕されてモロミタンクへと運ばれます。
果たして、モロミタンクでは何が起こっているのでしょうか!?
モロミタンク
まずは、モロミタンクには何が入っているでしょうか!?
1.麹によって造られた酵素 → 詳細は焼酎造りに見る麹の役割をご覧ください。
2.酒母 → 詳細は焼酎造りに見る酵母の役割をご覧ください。
3.霧島裂罅水と粉砕したサツマイモ
ということになります。サツマイモには豊富なデンプンが含まれていることは御存じのとおりです。
今度はサツマイモのデンプンがターゲットとなるわけです。ここでモロミタンク内では並行複発酵という面白い作用が起こっています。
並行複発酵とは?
並行複発酵とはデンプンの糖化と糖化されたブドウ糖の発酵が同一タンク内で同時に行われていることをいいます。
酒母を造る際も並行複発酵は行われていましたが、サツマイモを投入すると並行複発酵は勢いを増します。
「白霧島」を造る場合、1タンク当たり20tものサツマイモを投入しますので、デンプンの量も多いですね。
デンプンは麹に造られた酵素によってブドウ糖へ変わり、平成宮崎酵母によってアルコール発酵するというわけです。
モロミタンク内ではその作用が順次行われているということになります。
ですので仕込んで3日間くらいは発酵が盛んで、液面は沸騰したお湯のようにブクブク泡を上げているそうです。
並行複発酵は焼酎や日本酒での作用ですが、それに対して糖化は行われず、発酵のみの単発酵(ワイン、ブランデーなど)や糖化と発酵を別々に行う単行複発酵(ビール、ウイスキー)があります。
熟成期間
発酵が落ち着いてくると熟成期間に入ります。酵母も次第に衰えて酵母数も減少していきます。
熟成期間中はサツマイモに微量に含まれる成分が味や香りの味付けを行ってくれます。熟成が終了すると最終の蒸留工程へ移送されます。
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