2014年の焼酎・泡盛メーカー売上高ランキング
2015年8月26日、全国の焼酎・泡盛メーカーの2014年の売上高ランキングが、帝国データバンク福岡支店より発表されました。
早速その結果から見てみましょう。
2014年焼酎・泡盛メーカー売上高上位30社
上位10社の順位は昨年と同じでありましたが、内容はそうではありません。
上位10社のうち前年の売り上げを上回ったのは、3社しかありませんでした。焼酎ブームが去って以降、焼酎・泡盛業界の低迷が浮き彫りとなっています。
上位50社の総売り上げにおいては、2,853億円と前年よりも0.3%減収となりました。減収のメーカーは29社存在し、前年よりも5社増えたかたちです。
そんな中、唯一勢いがある会社が宮崎県都城市に本社を持つ霧島酒造㈱です。
第1位 霧島酒造とは
霧島酒造は前年比9.1%増、売上高565億円で着地しており、これで3年連続で首位となりました。
主力商品である黒麹製芋焼酎「黒霧島」を中心に展開し、地元の九州を基盤に、今では関東、東北、北海道まで営業を展開しています。
また白麹製の「白霧島」やムラサキマサリという紅芋を使った「赤霧島」も好調で、「クロキリ」「シロキリ」「アカキリ」の3本柱で営業を展開しています。
新商品開発にも力を注いでおり、2014年に期間限定発売開始となった新商品、タマアカネというオレンジ芋を使用した「茜霧島」も、発売直後に完売する人気っぷりです。
霧島酒造は「地方創生の成功型企業」としても注目されています。
詳しくは
「獺祭」と「黒霧島」に共通する4つのキーワード~前編~
「獺祭」と「黒霧島」に共通する4つのキーワード~後編~
の記事をご覧ください!
第2位 三和酒類
下町のナポレオン麦焼酎「いいちこ」で知られる三和酒類は、前年比3.6%減の売上高482億円で着地しています。
主力商品「いいちこ」以外にも「長期熟成貯蔵酒」など新商品展開も行っていますが、思うように売り上げが伸びず前年割れとなっています。
実は、地元大分県で「いいちこ」が飲まれることは少なく、関東・関西からの売り上げが高い割合を示す当社です。
去りゆく焼酎ブームと共に、都市部での消費低下が大きく影響を受けている格好となりました。
第3位 薩摩酒造
「さつま白波」「さつま黒白波」のリニューアルによる攻勢をかけた「薩摩酒造」は、前年比2.3%減、売上高170億円となりました。
上位2社に大きく離された結果となりましたが、鹿児島県の「薩摩焼酎」のリーダーでもある同社の巻き返しがなければ、「薩摩焼酎」復活は難しいでしょう。
2015年秋には「黒薩摩」の期間限定新販新発売も予定していますが、その営業力・展開力に注目していきたいところです。
2014年 焼酎・泡盛メーカーの結果を受けて思うこと
焼酎・泡盛は、2015年も目立った話題も無く大きな業界発展は見込めないのではないでしょうか!?
全体的に低迷している業界ではありますが、芋焼酎「三岳」で有名な屋久島の三岳酒造の成長が著しいです。
「三岳」はランキングは23位ですが、売上高が10%増と確実にファンを取り込んでいるのが伺えます。
私も「三岳」のファンで、サツマイモの後切れが心地よい風味が大好きです。「三岳」に関する記事は以下のリンクよりご覧ください!
屋久島の銘酒「三岳」と「白霧島」を飲み比べ!
口永良部島の噴火で垣間見える地元の絆!私たちにも出来る意外な復興支援方法とは!?
お気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、「森伊蔵」「魔王」「村尾」「伊佐美」「なかむら」など、いわゆる「プレミア焼酎」と言われる蔵元は、ランクインしていません。
つまり、私が「プレミア焼酎」をオススメできない理由で申し上げたように、各銘柄がいくら高騰していてもその蔵元はたいして儲けていないということが事実です。
2015年を予想しますと、「霧島酒造」が首位を堅持することが濃厚でしょう。
1月に新発売した「白霧島」の売上好調、新発売「茜霧島」の好感触がその要因となりそうです。
しかしながら、業界全体の発展が無い限り「メーカー同士の顧客の奪い合い」となってしまいます。
やはり「新たな顧客の獲得」こそが求められています。
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Comment
うーんこの結果を見るとショックですね。焼酎メーカーが潰れない事を願うばかりですが、このままだと小さい蔵なんかは潰れてもおかしくないですね。
ちょっとでも芋焼酎の人気が出るように頑張りましょう!!
ギャリさん
コメントありがとうございます(^^)
業界は衰退をたどる一方ですよ。
お互い様々な銘柄を飲んで、微力ながら焼酎業界に貢献しましょう!