焼酎造りに見る酵母の役割
2015/08/01
「白霧島」は芋焼酎であり、アルコールが含まれた飲物になります。
アルコールを生成する上で必要となるのが、麹、酵母といった微生物の存在です。
霧島から白霧島へリニューアルに当たって最も大きな変化は使用酵母の違いにあります。今回は、焼酎酵母の詳細に迫っていきたいと思います。
米や芋に含まれるデンプンは最終的にアルコール(エチルアルコール)まで分解されます。
まずデンプンは麹によって造られた酵素によってブドウ糖等の糖分まで分解されます。これは麹の役割の記事を参照してください。
酵母の役割
焼酎酵母の役割は麹によって分解されたブドウ糖を発酵し、エチルアルコールを生成することです。
酵母はこの他にも味に影響を出す有機酸、香りに関する高級アルコール類、吟醸香と言われるフルーツのような香りを出すエステル類を生成します。
酵母も私たち人間と同様個性がありますので、生成される成分にも特徴があります。原料からアルコールができるまでのフローは以下のようになります。
一方で酵母は自然界に7000種類も存在しますが、アルコール発酵できるのはサッカロマイセス属の1種類しかありません。
このサッカロマイセス属に属した酵母を単離、純粋培養した後に焼酎製造の酒母を造る工程において添加されます。
焼酎酵母は約5μm~10μm(1μm=1/1000mm)の大きさで、顕微鏡で見ると円や楕円形をしています。
酵母の生育環境
添加された酵母が健全に発酵を行うには、様々な困難に打ち勝つ必要があります。まずは温度です。
酵母は25~30℃で最も安定的に活動ができると言われています。この温度管理を行うことが最も大切だと工場見学でもお聞きしました。
酵母が快適に生活する環境を整えることこそが、造り手の使命ということでした。また、酵母は麹によって作られたクエン酸によるpH条件にも耐え得る必要があります。
焼酎酵母が発酵を繰り返すことによって、アルコール濃度が上昇します。アルコール濃度が高くなった状態でも活動を継続しうる能力が必要になります。
このような苦しい環境でも発酵、増殖を繰り返し酒母には1cc当たり2億個もの焼酎酵母が生育しているのです。そして、酒母ができあがります。
酵母無しでは焼酎造りは語れないのです。
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