神戸市灘地区のお酒造りが盛んなわけ!
日本酒、本格焼酎、ビール等「お酒造り」に欠かせないものの一つは「お水」の存在です。
仕込みに使うお水はもちろんのこと、設備の運用水、お酒造りの道具を洗浄するお水などあらゆる場面でお水が必要になります。
「美味しい酒蔵は名水と共にあり」と言われます。それは灘地区も同じです。
つまり「酒造りに適したお水」が灘地区で汲み上げられているのです。
実際「酒造りに適したお水」と言えども、どのような「お水」がお酒造りに適しているのでしょうか!?
まずは水質基準をクリアーすること
お酒造りに使用できるお水は、水道法で設定されている水質基準をクリアーすることが大前提になります。
水質基準項目は51種類にも及び、全ての基準をクリアーしなければなりません。
水質基準をクリアーすることで「飲用可能な水」というお墨付きをもらえるわけですが、私たちの常用水である水道水もこの基準をクリアーしています。
そのうえで「お酒造りに適したお水」は、発酵に関与する麹・酵母等の微生物の生育について考慮する必要があります。
酒造用水として備えるべき条件とは
公益財団法人日本醸造協会では、上表のように酒造用水として備えるべき条件を提示しています。
「地下水」などに多く含まれる鉄・マンガンのミネラル分は、酒造用水としては適していないようです。
鉄⇒お酒の着色の原因となり、味・香りにまで影響する。
マンガン⇒日光による着色の原因物質となる。
その他にもアンモニア系窒素は、生活用水などによる汚れの指標にも関与しているため、検出されないことが大前提となっています。
一方、神戸市灘地区は、前述のように「お酒造りに適したお水」が汲み上げられています。
灘地区のお水には適度な硬度に加えてリン、カリウムが多いことが特徴です。
これらの物質は、酵母の増殖と発酵を助長する性質があり、お酒造りには有効な成分として扱われています。
こういった理由もあり、神戸市灘地区には酒蔵がひしめき合っているというわけです。
有害成分が含まれている場合の対処法
お酒を造るお水に有害成分が含まれていた場合、それを取り除くことが大前提となります。
濾過、除鉄、除マンガン、吸着濾過等、あらゆる化学処理を駆使してお酒造りに適したお水に変えていく設備の導入が必要になります。
お酒選びの時は仕込み水にも着目
「金魚にとって、生活しやすい清流で汲んだお水で飼育する」
「塩素の臭いがする水道水で飼育する」
もちろん、前者の方が生き生きと金魚が生活するに違いないでしょう。
となると、日本酒・本格焼酎造りに欠かせない酵母も生育しやすいお水で仕込んだ方が、より生き生きと生活するに違いありません。
そうすることによって、酵母は美味しいお酒を醸し出してくれるのです。
日本酒・本格焼酎等を購入する場合は、ぜひ仕込み水にも着目して頂きたいと思います。
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