ノンアル飲料が自動販売機で売っていない理由
2015/06/26
ノンアルビールもトクホの時代へという記事を書きながら、少し疑問に思ったことがあります。
ノンアルビールに限らず、ノンアルカクテル、ノンアル梅酒などアルコールが1%未満の飲料でありながら、飲料自動販売機で売っているのを目にしたことはありません。
またスーパーやコンビニに行ってもアルコール飲料のすぐ隣に配置され、普通の飲料とは一線を置かれていることがわかります。
ノンアルコールの時点でジュースと変わりないような気もするのですが、どうしてこのように差別化されているのでしょうか!?
酒類の広告・宣伝及び酒類容器の表示に関する自主基準
実は酒類業界では「酒類の広告・宣伝及び酒類容器の表示に関する自主基準」というものが設けられています。
酒類製造者は、酒類が致酔飲料という特性を有することから「未成年者飲酒や飲酒運転等の法令を遵守すること」、「不適切な飲酒の防止や適正な飲酒環境を醸成する」などの社会的責任も果たしていく必要があります。
このために「自主基準」を定め、これを酒類業界で責任を果たしていくことにより、健全な飲酒が楽しめる社会を作ろうという狙いがあります。
「自主基準」は大きく「未成年者の飲酒防止に関する事項 」と「アルコールと健康問題等に関する事項 」に分かれています。
「未成年者の飲酒防止に関する事項 」
例えばお酒のパッケージに「未成年者の飲酒は法律で禁じられています。」「お酒は二十歳になってから」と表示されているのは、法律に準ずる形で付加的に行っています。
細かくは表示する文字の大きさから、TVCMにおけるこの表示秒数まで取り決められています。
未成年者を対象としたイベントやTV番組ではお酒のCMは行わない。小学校、中学校、高等学校の周辺100m以内に、屋外の張替式大型商品広告板は設置しない。なども取り決められています。
「アルコールと健康問題等に関する事項 」
「妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります」「飲酒運転は法律で禁止されています」などがこの項目に該当します。
「お酒は適量を飲むこと」や「一気飲みを煽る広告をしない」ことなども含まれます。
一般的にお酒を飲む時間帯ではない5:00~18:00までのTVCMを行わないなども取り決められています。
ノンアル飲料が自動販売機で売っていない理由
ここまで自主基準に関して述べてきたわけですが、実はノンアル飲料もこの自主基準に該当するのです。
「酒類事業者が製造販売するノンアルコール飲料は、成人の飲用を想定していることから、これに係る広告・宣伝及び容器の表示等についても、自主基準において取り扱うこととする。」
酒類の広告・宣伝及び酒類容器の表示に関する自主基準にこのように書かれています。
酒類事業者がノンアル飲料を販売する目的は「お酒が飲めない成人者でもテイストを楽しむことができるように!」「ドライバーの方にもノンアル飲料で飲み会を楽しんでもらえるように!」といったことが挙げられます。
つまり、「成人の飲用を想定している」ということになります。
ですのでアルコールはほぼゼロですが、お酒のカテゴリーと同様の扱いとなるわけです。今後も飲料自動販売機でノンアル飲料を目にすることはないでしょう。
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Comment
なるほどです。
ノンアルで会議とか、やっぱり違和感あったりするのと一緒ですね。
応援しておきました。ポチッ
矢田@医療職兼業トレーダー様
コメント&応援ありがとうございます。
ノンアルで会議!?確かに違和感ありありですね。今やノンアル分野もかなりの勢いですよね。