酒類の過剰な廉売を規制する酒税法改正案に賛否両論
2016年5月12日追記
昨年の国会で提出予定だった「酒類の過剰な廉売を規制する酒税法改正案」は一旦見送りになったわけですが、今年の国会でいよいよ成立する見通しとなっています。
量販店などによる酒の行き過ぎた安売りを規制するための酒税法などの改正案が、衆院本会議で12日に可決する。参院でも近く可決し、今国会で成立する見通しだ。成立後1年以内に施行され、仕入れ価格を下回るような酒の過度な安売りはできなくなる。
政府としては、街の酒屋さんを救済することを前面に推していますが、それが建前であることは誰もが気付いているようですね。
消費者の家計が益々ひっ迫することは必至で、ネット上では批判的なコメントで盛り上がっています。
他にも安売りやってるのは無視で酒だけ狙い撃ちですか?
酒税に消費税の二重課税の上に更に値上げとかあまりにもふざけてる。
安く売るための企業努力は無視?お酒に限らず他の物も規制するんですよね?ってか他にやらないといけない事ありますよね?
このように愛飲家からすれば、納得できない!思いが強いですよね。
酒税法改正案の概要
2015年4月13日、2016年5月12日、酒類の過剰な廉売を規制する酒税法改正案が、国会に議員立法で提出されることが明らかになりました。
「関連法に取引基準などを新たに定め、違反すれば業務改善命令や酒類販売の免許を取り消す処分ができるようにする」といった内容が盛り込まれています。
これまで酒類の価格決定について指針が定められていましたが、法的な拘束力はなく、安売りに対しては改善を指導することしかできなかったのが現状です。
この改正案が提出されるきっかけは、大規模量販店やスーパーマーケットにおいて、特売の「目玉商品」として、通常の小売店の仕入れ値以下の価格でビールなどを販売するケースです。
この「ビール」で赤字を叩いて集客することが目的ですが、これは度を超えた廉売として捉えられているのです。
これによって値引きを強いられる卸売業者や、競合する一般の酒販店などの経営が圧迫されるケースも少なくなく、酒類の不当廉売に対する申し立てや苦情は、「他の物品に比べて群を抜いて多い」(自民党議員)ことから、酒税の円滑な徴収が阻害される恐れがあるとして、法改正に乗り出すとしています。
改正案では、酒類の取引基準を新たに設定し、仕入れ価格や販管費、利益を度外視した合理的でない販売価格は設定できなくする。
消費者観点から改正案を考える
今までは、ディスカウントストアーや大手ドラッグストアーなどに訪れてお酒を購入する方がほとんどだったと思います。
今回の改正案が可決されますと、一定以上の割引きはできなくなることが予想されます。
極端な話、コンビニで買うお酒とディスカウントストアーで買うお酒の価格が変わらなくなるということです。
お酒の価格が上がれば、消費税アップとのダブルパンチになります。我々が一日で楽しみにしていた晩酌にも少なからず影響が出てきます。
製造業者観点から改正案を考える
価格競争が進むと、やむなく商品の値打ちが落ちてしまうのが現状と言えます。
過剰な廉売によって最安値が出来てしまった場合、メーカーはそれを是正したいと思うのが普通でしょう。
メーカーとしては価値があるものを提供している自負があるでしょうから、ある一定の金額以上が保ちたいのが本音だと思います。
となれば、改正案に一部は賛成でしょうが、本音は酒税を減らしてもらいたいというところでしょうか!?
ディスカウントストアー観点から改正案を考える
今まではお酒という人気ツールを使って集客をしていたわけですが、そのツールがひとつ無くなることになります。
ビールであれば、24本とか最低でも6本単位で購入するでしょう。
ですので少しの割引で、消費者からは数十円~数百円の差が生まれてきたわけです。
お酒は人気もありますし、金額的差によるインパクトも大きかったのです。
要は使い勝手の良いアイテムだったと言えます。それが無くなるわけですから、かなりの痛手だと思います。
政府観点から改正案を考える
一番嬉しいのは政府です。一般酒販店を助ける施策と謳いながら、税収も安定してもらいます。そして、面倒だった苦情も減るわけです。
まとめ
酒類の過剰な廉売を規制する酒税法改正案が国会で提出され可決されることになれば、一番痛いのはお酒をこよなく愛する私たち消費者です。
益々お酒離れが進行していかないかと心配です。お酒離れが進めば、税収が落ち込むことも目に見えていると思うので、どうしても良い改正案と思うことができません。
このような規制を掛けるよりも、議員定数を減らすことや国会議員の給料を減らすなどすることはあるのじゃないか!?と思ってしまうのは私だけでしょうか!?
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Comment
酒離れはもともと日本人に多いアルコールに弱い体質の人間が、当たり前に強制的な飲酒を拒否できる世の中になってきたことが理由。飲める(体質的・経済的に)、飲みたい人間はせいぜい飲んでください。その結果体を壊したり依存症になっても自己責任です。
匿名さん
コメントありがとうございますm(__)m
仰るとおりで、日本人はアルコールに弱い体質の方が多いようです。以前は、飲めない人にも無理矢理飲ませる風潮がありましたが、最近は急性アルコール中毒などニュースに取り上げられる機会も増え、飲めない方に強制することはダメだ!というのが、当たり前になったということですね。
飲める方も適量を飲むことが、最適だと思っています。
私も強制的な風潮はなくなるべきと思います。
飲む人も、人に迷惑かけない範囲で…と思います。
家でチビチビ飲む私としては、この記事を見て、こらからは楽しみを我慢することになるのかなぁ…と、今から憂鬱になっております…。
玲さん
コメントありがとうございます(^^)
私も家飲みがほとんどなので、かなりショックな内容ですね。
お酒の影響で起こる事件や事故は悪い印象を与えてしまいますよね。
やはり、お酒は飲んでものまれるな!ですね。