「日本酒」純国産限定へ期待を込めて!「清酒」との境目が明らかに!
2015/07/25
「清酒」「日本酒」どちらも國酒と呼ばれる同じアルコール飲料ですが、皆様はどちらの名称で呼んでいますか!?
なんだか「乙類焼酎」と「本格焼酎」の呼び方に近いものを感じますが、「清酒」と「日本酒」の呼称を少し、掘り下げてみたいと思います。
清酒の由来
現在でこそ、「清酒」はその名の通り清く透き通った液体をしていますが、一昔前ははそうではなかったのです。
かつて米で造られたお酒は濁っているものが主でした。当時はそれが当たり前だったのですが、全国新酒鑑評会では着色した酒は、評価が低かったのです。
各蔵はこぞって、濾過技術を磨き無色透明の酒、所謂「清酒」を造り出すことができました。
それまで、酒は濁ったものが多かったのですが、透き通る酒を「清酒」と呼ぶようになったといいます。
酒税法上で見ても「清酒」としており、法の上でも「清酒」と呼ばれていることが解ります。
日本酒と呼ばれるきっかけ
「清酒」という呼び方はどこか古臭く感じる方が多いでしょう。
どこの居酒屋さんに行っても「日本酒あります!」といった看板が目に入ります。ここに「清酒」とは書かれていないのです。
きっかけの1つとして、日本酒造組合中央会が「10月1日は日本酒の日」と定めたことです。ここにも「清酒」という呼び名は使いませんでした。
大々的に「日本酒」と言う呼び名が先行して、いつしか「清酒」は影を潜めていったのです。
決定打は、政府が「日本酒・焼酎を國酒と呼ぶ國酒プロジェクト」をスタートしたことです。日本のみならず、世界に向けて「日本酒」を推していったことになります。
もはや「清酒」と呼ぶ人々は一部の「清酒」に思い入れがある方だけになってしまったのです。
世界で認められ始めた「日本酒」
世界における日本焼酎の評価の記事でもご紹介していますが、近年國酒プロジェクトが功を奏し、世界では「日本酒ブーム」が沸き起こっています。
もちろん「清酒」という呼称に思い入れのある方もいらっしゃると思いますが、そこはご容赦頂きたいと思います。
「日本酒」が世界へ知れ渡り、世界中の人達に飲んでもらえることを想定した場合、「清酒」よりも「日本酒」という呼称がインパクトが強いでしょう。
何せ「日本酒は日本で造られた酒」をイメージするからです。
ところが世界各国の酒類会社は、これを好機と捉え「日本酒」を造る設備導入を始めています。
もちろん技術も必要だとは思いますが、米と麹と酵母があれば最低限の「日本酒」を造ることができるのです。
このままでは各国で造られた「メイドインザワールドの日本酒」が造られる恐れがあります。
せっかく日本の酒文化の一つである「日本酒」が世界に認められ、「日本酒」の更なる飛躍の可能性が出てきたところに、どこで造られたか判らない「メイドインザワールドの日本酒」がそれぞれの国で安く出回ってしまうのです。
関税や輸送の絡みもありますので、間違いなく現地で造られた「日本酒」の方が安く購入できるでしょう。
「日本酒」が「日本酒」であるために
つい先日国税庁は、外国産の清酒との違いを際立たせるために、国産のコメを使って国内でつくられた清酒だけを「日本酒」として販売できるようにする方向で検討していることを発表しました。
日本国内で日本の原料を使用して造られた「日本酒」のみが、「日本酒」と呼ぶことができるようになります。
つまり外国で同じように製造されたお酒は「清酒」と呼ばれ、「日本酒」と識別することを狙いとしています。
この取り組みが成功すれば「日本酒」のブランド力が向上するでしょう。
外国の「日本酒ファン」からは「日本の職人が日本の米や水などの原料を使用して、繊細な管理の元造られたお酒が日本酒である。」
という印象を持ってもらえることが期待されます。
これまで「日本酒」に関して明確な定義が無かったため、良いきっかけになったのではないかと思います。
「日本酒」や「本格焼酎」は、風土や文化と共に育まれて造られるお酒です。
世界に向けて美味しい「日本酒」や「本格焼酎」が発信され、「デリシャス!グッド!」と評価されることは、日本人としてとても誇らしく感じます。
ブログランキングに参加中。応援をお願いします!!
人気ブログランキングへ
記事が参考になったと思われる方は、記事下のSNSシェアボタンクリックをお願いします!
スポンサードリング
スポンサードリング
関連記事
-
お酒を選ぶ際に迷う「パック」と「瓶」。それぞれの特徴とシーンに合わせた選び方を解説します!
本格芋焼酎に限らず、日本酒や焼酎を購入する際、瓶とパックで迷ったことはありません …
-
急激な飲酒人口の減少が予測される今後。アルコール問題が減ることへの期待と窮地に陥る酒類業界。
「若者のお酒離れ」「少子化」は、今後の酒類業界にとって最大の懸念点です。 今回は …
-
徹底調査!!どこでどんなお酒が売れているの!?酒税法改正案の是非を問う!!
酒類の過剰な廉売を規制する酒税法改正案が国民の間で波紋を呼んでいます。この度、国 …
-
【芋焼酎】でもない【日本酒】でもない新しいお酒のご紹介!
【日本酒】と【本格焼酎】といえば、国を象徴するお酒ということで、【國酒】(こくし …
-
国産ウイスキーが大ヒットの兆候!国内ではハイボールブーム!輸出需要も急上昇!
国産ウイスキーが着々とかつての栄光を取り戻す動きをしています。 1980年代に盛 …
-
お酒のラベルに秘められた魅力をご存知でしょうか!?
酎や日本酒を購入しようと酒屋さんやスーパーのお酒コーナーに足を運ぶと、目の前に広 …
-
酒類課税数量から考察する「ビール類税制統一」や「18歳以上飲酒解禁」との関係性~後編~
前回の記事では、H19~H26にかけた「酒類全体の課税移出数量」の数値をもとに、 …
-
「ザ・プレミアムモルツ」が美味いはずの4つこだわり!~実体験記事~
2015年8月の夏は灼熱の暑さが続いていますね。やはりこんな暑い日に飲むべきもの …
-
「獺祭」と「黒霧島」に共通する4つのキーワード~後編~
「獺祭」と「黒霧島」、日本を代表する國酒でもある両銘柄の大ヒットの裏には一体どの …
-
サントリーが「ザ・モルツ」新発売を発表!ビール新時代に懸ける思いとは!?
サントリーは2015年9月8日から発売するビール「ザ・モルツ」のニュースを発表し …