あなたが知らない「本格芋焼酎」の生まれたてを解説します!
日本酒で言えば「搾りたて」ビールで言えば「できたての鮮度抜群」!!
このようなフレーズを聞くと2.3倍増しに美味しそうに感じるのは私だけでしょうか!?
日本酒・ビール共に醸造酒ですので、新鮮さというのは重要な項目になります。
このような理由もあって、「新鮮さ」というのを売りにするわけですが、蒸留酒の場合は少し状況が違います。
蒸留酒の場合、「熟成」させることで荒々しい酒質を、マイルドでまるみのある酒質へと変化させます。
そういったこともあって、意外と生まれたての蒸留酒がどんなものなのか!?というのは、知らない方が多いのではないでしょうか!?
今回は、蒸留酒である本格芋焼酎の生まれたての状況を解説していきたいと思います。
本格芋焼酎は蒸留酒
本格芋焼酎は、単式蒸留器を用いて蒸留された蒸留酒です。
単式蒸留は大きく、常圧蒸留と減圧蒸留に分けられます。詳細は常圧蒸留と減圧蒸留の違いにみる焼酎の楽しみ方をご覧ください!
本格芋焼酎は、熟成された二次モロミを大きな器に入れて蒸気を使って加熱します。
例えるならば、豚汁を「炊き出し」で煮詰めるようなものです。
本格芋焼酎の場合は、二次モロミに含まれる「アルコール成分」がターゲットの為、「炊き出し」のような開放型の鍋ではありません。
二次モロミに含まれる主な成分は「水」と「アルコール」です。アルコール分は10~15%含まれています。
二次モロミに含まれる「水」「アルコール」は、「液体」の状態で存在するわけですが、蒸留酒というのは、この「アルコール液体」を一旦「アルコール気体」の状態にする必要があります。
蒸気を使って加熱する理由はここにあります。
加熱が進むと、二次モロミの表面上はボコボコと泡が立ちだします。
正にお湯を沸かした時の沸騰している状態になります。沸騰したお湯は次第に湯気が出てきますが、これは正に「気体になった水」なのです。
二次モロミを加熱して85度を超えると徐々に「アルコール」が「液体」から「気体」へと変化します。
この「アルコール気体」を大気中に放出してしまうと、大切な本格芋焼酎が減ってしまいます。
ですので、密閉された状況で蒸留は行われるのです。
そしていよいよ本格焼酎が生まれる瞬間です。
本格芋焼酎のハナタレそして末だれへ
蒸発した「アルコール気体」は、水などの冷媒を使用して冷却し、再び「アルコール液体」として取り出されます。
これこそが「本格芋焼酎」です。
アルコール液体として取り出される瞬間を「ハナタレ」と呼びます。この時のアルコール濃度は、なんと70度もあるそうです。
「ハナタレ」とは「しょっぱなの垂れはじめ」のことを言い、決して「鼻水を垂らした人」ではありません。
蒸留当初は、二次モロミに含まれるアルコール濃度が高いので、濃い本格芋焼酎が取り出されるのです。
はじめ70度あったアルコール濃度も蒸留が進むと次第に低くなり、最終的には10度付近まで下がります。
アルコール濃度が10度付近まで下がってくると、他の不良成分も取り出す可能性が増えてきます。
これを「末だれ臭」と言い、おおよそ10度付近で蒸留を停止します。また10度付近を「末だれ」と呼びます。
通常、1回の蒸留で取り出される本格芋焼酎は一つのタンクに溜められていきます。
ですので、本格芋焼酎原酒はアルコール度数10度~70度の原酒が混和されて、35~36度に仕上がります。
焼酎原酒という商品が35度、36度で販売されているのはこういう理由です。
「ハナタレ」という銘柄で販売されているものありますよ。
生まれたての原酒はどのような風味!?
最近は、「蒸留したて」といった銘柄も見かけることが増えてきました。
消費者の観点からは、「新しい方が美味しい」という要望に応えて造られた商品です。
実際のところ、生まれたばかりの本格芋焼酎は、ガス臭や焦げ臭などがたくさん含まれており、粗い酒質であると言われます。
また「おり」と呼ばれる油成分も含まれていることから、「冷却濾過」や「貯蔵」を行った上で出荷した方が、本格芋焼酎の特徴を活かした、甘くてまるみのある酒質に仕上がるとされています。
私としては、生まれたての蒸留酒も気になりますが、しっかり熟成された本格芋焼酎が味わいたいですね。
芋焼酎の「原酒」、「ハナタレ」にはこういった商品があります。
本格芋焼酎 こだわりの原酒
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