芋焼酎の味に地域特徴がある3つの理由
2015/07/28
芋焼酎をレビューしていく中で、薩摩焼酎や霧島酒造の「白霧島」「黒霧島」、日南市の芋焼酎などが登場するわけですが、芋焼酎の味には地域によって特徴があります。
特に、私のレビューの中でも「薩摩焼酎特有のサツマイモの香り」とか「宮崎県南地区の芋焼酎はスッキリしている」などの表現を使っています。
なぜ、このような地域による特性が表れるのでしょうか!?芋焼酎を製造する過程を考えた際に、3つの要因が考えられました。
1.水の違い
このブログで再三登場する「水」の違いです。芋焼酎を造る上で、「水」の存在は欠かせません。
焼酎モロミの約4割は仕込み水になります。この仕込み水は、地域によって差があると考えられます。
例えば、「白霧島」や「黒霧島」は霧島裂罅水を使用しますし、宮崎県南の「飫肥杉」には神領の地下湧き銘水「櫻井水」を使用しています。
仕込み水に含まれるミネラルのバランスによっても焼酎の味が左右されているのでしょう。
2.原料サツマイモ
サツマイモにおいてはコガネセンガンという品種を使う芋焼酎がほとんどですが、品種は同じでも産地はそれぞれです。
薩摩焼酎は鹿児島県産のコガネセンガンを使用する蔵がほとんどですが、「白霧島」「黒霧島」は南九州産という表記から、宮崎、鹿児島のコガネセンガンを使用していることになります。
シラス台地でできるコガネセンガンと通常の黒土で出来るコガネセンガンとは、含まれるデンプンの量も違うと言われます。
デンプンの量も異なれば、芋焼酎の風味に影響を与えるその他の成分ももちろん違いがあるでしょう。
3.使用酵母の違い
1.2の項目に関しては、比較的容易に考えつきますが、この使用酵母の違いというのは少し興味深いことが推測できます。
通常使用酵母は、各県が大学や試験場と共同研究の元造られた酵母がほとんどです。
鹿児島県 ⇒ 鹿児島2号酵母、鹿児島4号酵母、鹿児島5号酵母
宮崎県 ⇒ 宮崎酵母、平成宮崎酵母
それぞれこのような酵母が挙げられます。
要するに、鹿児島県の酒造会社は鹿児島県の酵母を、宮崎県の会社は宮崎県の酵母を使用しているケースが多いと推測されます。
「白霧島」においても「平成宮崎酵母」を使用しているとうたっていますので、宮崎県都城市にある霧島酒造の「白霧島」は宮崎県の酵母を使用していることになります。
酵母は焼酎の味に影響を大きく与えますので、この使用酵母による酒質の影響は絶大です。
ましてはそれぞれ芋焼酎業界においてはメラメラとライバル意識を燃やしていますので、酵母が県をまたぐことは難しいのではないかと考えられます。
今年は、宮崎県の芋焼酎出荷量が鹿児島県を抜く歴史的な年になったわけですが、各県の焼酎酵母を巡る戦いも水面下でヒートアップしていることでしょう。
芋焼酎は飲むだけに留まらず、各地域や風土と密接に関係していますので興味深い文化だと考えさせられます。
ブログランキングに参加中。応援をお願いします!!
人気ブログランキングへ
記事が参考になったと思われる方は、記事下のSNSシェアボタンクリックをお願いします記事が参考になったと思われる方は、記事下のSNSシェアボタンクリックをお願い致しますm(__)m
スポンサードリング
スポンサードリング
関連記事
-
黒霧島がヒットした理由、そしてこのままじゃ終われない薩摩酒造の奮闘
芋らしい芋焼酎からの脱却を計ることによって成功した黒霧島。いまだ霧島酒造の勢いは …
-
芋焼酎の原料サツマイモに「コガネセンガン」が使われる3つの理由
芋焼酎と言っても、まったく知らない人からすれば「何の芋を使っているの?」というの …
-
2015年秋「赤霧島」の発売日が決定しました!
2015年10月23日追記⇒「赤霧島」の販売が開始となりました。 「赤霧島」が定 …
-
「赤霧島」が人気焼酎になった3つの理由と本格芋焼酎界にもたらした2つの功績
このところ「茜霧島」の人気が上昇しており「赤霧島」の人気も落ち着いてきました。 …
-
2016鹿児島県産薩摩焼酎・黒糖焼酎大試飲会in Fukuokaの開催
今回で第3回目となる「薩摩焼酎・黒糖焼酎大試飲会」が開催されます。 前回のイベン …
-
「薩摩焼酎」人気復活の鍵を握るのは女性の力?
平成26年度、焼酎王国鹿児島県の本格焼酎出荷量は、宮崎県を下回る事態が起こりまし …
-
バレンタインデーギフトに芋焼酎を!シチュエーション別にチョイスしますよ!
もうすぐバレンタインデーですね! バレンタインデーは女性から男性に思いを告げる大 …
-
本格焼酎新商品のご紹介!三和酒造「三和鶴白・黒」 / 三和酒類「いいちこ・長期熟成貯蔵酒」の商品詳細
本格焼酎新商品のご紹介です。いち早く購入して試してみてはいかがでしょうか!?今回 …
-
芋焼酎なのに芋臭くない焼酎が好まれる2つのわけ!
ほぼ毎日の晩酌を欠かさない私としては、芋焼酎の存在は不可欠です。 芋焼酎評価の記 …
-
今、最も注目の芋焼酎!?女性もベタ惚れプレミア焼酎の予感も漂う銘柄とは!?
最近ですね。私が密かに狙っている芋焼酎があるんですね。 昨秋も購入をしたい!と試 …