2014年清酒出荷量に見る新たな兆し!2015年更なる飛躍をする方法とは!?
2016/04/09
國酒を担う「日本酒」と「焼酎」。今回は、「日本酒(清酒)」の出荷量を元に考察します。出荷量を考察していく中で、日本人の選ぶ清酒に傾向が見られましたので、詳しく解説していきたいと思います。
まずは、清酒の国内での出荷量を振り返ってみたいと思います。
清酒出荷量(国内分)
まずは、下の表をご覧ください!
2005年からすると17万kl出荷量が減少していますが、2011年の國酒プロジェクト以降、出荷量減少に歯止めがつきつつあります。
2014年の減少は消費税増税や値上げの影響を少なからず受けています。また、清酒のヘビーユーザーは高齢化が進み総需要の低下は焼酎同様見られます。
清酒業界全体の出荷量低下は見られますが、ジャンル(造り)別に見てみると面白い傾向が見られます。
清酒の造り別出荷量推移
造り別に見ると、純米酒、純米吟醸酒、吟醸酒が年々出荷量が増加しており、構成比で見ても1/5⇒1/4へと割合が増加しています。その煽りを受けているのが、本醸造酒や一般酒です。
本醸造酒や一般酒等の減少は、安い清酒を日常的に飲む習慣があるヘビーユーザーの高齢化が要因として挙げられます。一方で、純米酒以上の高級酒の出荷量向上は明るい材料です。
ビール業界がプレミア指向になったように、清酒業界でも同じ兆しが見てとれます。
普段は贅沢しないけれど、週末やお祝いの時に高級な清酒で乾杯するといった風景が浮かびますね。
最近話題の獺祭(だっさい)も高級清酒の出荷量増加に一躍かったのではないかと思います。
表にはありませんが、吟醸酒等の高級酒の出荷量は依然朝日山酒造の「久保田」シリーズが好調で24000kl余り4320kl余りを出荷しておりNo.1の出荷量となっています。(酒興味深々人さんよりご指摘により訂正)
注目の獺祭は11000kl余り1980kl余りを出荷しており、業界No.3となっています。(酒興味深々人さんよりご指摘により訂正)
最後に、清酒上位メーカー10社の出荷状況を見てみたいと思います。
2014年清酒上位メーカー10社の出荷状況
「白鶴」、「松竹梅」、「月桂冠」の三つ巴の状況が続いているようです。
吟醸酒等の高級酒に強い「世界鷹G」が少しずつではありますが、出荷量に増が見られます。2012年までは「月桂冠」が業界2位でしたが、2013年に「松竹梅」が逆転しています。
アメリカ、韓国を中心に輸出においても好調な兆しを見せている清酒業界ですが、新規顧客獲得のための策にも各社動きが見られます。
2015年の清酒業界の動きは!?
清酒市場は、新規顧客獲得の為に新たなジャンルの新商品を計画しています。「糖質ゼロシリーズ」や「スパークリング清酒シリーズ」の販売が予定されています。
若い世代や女性をターゲットにした商品ラインナップが増えてきているのは、清酒に限らず焼酎、ビールにおいても同様の傾向です。
また、清酒の特徴として造りの違い(普通酒~吟醸酒)があります。それぞれの分野で特化した強さを持った清酒メーカーは各社売り上げを伸ばしている傾向にあります。
今後も得意分野を活かした新商品の販売によって一気に売り上げが上ブレすることも予想できます。
近年、情報を得るチャンスはどこにでも存在する時代です。サントリーが発売したヨーグリーナのようにツイッター等のSNSの普及も見逃せません。
清酒、焼酎業界はまだまだインターネット等の情報網を上手く活用する余地は残っていると感じます。
この情報網を上手く活用することによって、清酒の売り上げが大幅にアップすることも期待できるのです。
私もブログを通して、有益な情報を発信していければと思います。
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Comment
図表の「清酒の造り別出荷量推移」について一言。
この図表は、一見しただけだと見る人に誤解を与えてしまう紛らわしいものになっていると思います。
どういう事かというと、この表の【吟醸酒】の出荷量というのは(純米吟醸酒)と(アル添した吟醸酒)を合わせた出荷量ですが、
一見しただけだと、この【吟醸酒】の出荷量を(アル添した吟醸酒)のみの出荷量であると誤解しかねない危険性があるという事です。
つまり、この表では【純米吟醸酒】の出荷量というのは、あくまでも【吟醸酒】の出荷量の一部を示したものであるという事なんですね。
だから、各項目の構成比(%)の数字を全て合計すると、純米吟醸酒の割合(%)の分だけ100%を超えた値になります。
ですから、もしこの図表をわかりやすく再構成するであれば、
例えば、造りの項目を【吟醸酒】【純米酒】【本醸造酒】【一般酒】の4項目に減らして【純米吟醸酒】は注意書きで分けて表示するか、
あるいは、【純米吟醸酒】【アル添吟醸酒】【純米酒】【本醸造酒】【一般酒】の5項目で表示するなどした方が良いのではないかと思います。
通りすがりの人さん
コメントありがとうございますm(__)m
鋭いご指摘ありがとうございます!
参考にさせて頂きます!
吟醸酒等の高級酒の出荷量は依然朝日山酒造の「久保田」シリーズが好調で24000kl余りを出荷しておりNo.1の出荷量となっています.
ということは2014年度で言えば朝日山酒造の「久保田」シリーズは業界6位のオエノンG 20,580klより生産量が多いということでしょうか?
獺祭も白鹿よりも生産量が多いことになりますが………。
酒に興味深々人さん
コメントありがとうございますm(__)m
そのような結果だったと記憶しています。手元に資料がありませんので、今一度確認してみますね!
清酒の出荷量で吟醸酒の出荷量がおかしかった理由わかりましたか。
出典は「酒類食品産業の生産。販売シェア」でなかったでしょうか。
48,000円+税ですし、2年に1回の発行ですからとても高価です。
一昨日、国会図書館で調べました。吟醸酒など特定名称清酒の単位はklでなく、
石ですので180かけて1000で割らないとklはでません。
単位はとても重要です。特に公にするには十分注意してください。
これを調べる為に昭和45年から2年に一回は国会図書館に通っています。