本格焼酎の現状、出荷量から考察する
2015/07/28
「白霧島」「黒霧島」を代表する芋焼酎、「いいちこ」「二階堂」を代表する麦焼酎は、本格(乙類)焼酎(以後、本格焼酎で表現)です。
現在、本格焼酎はどのような状況下におかれているのでしょうか?
前述の通り焼酎業界における本格焼酎の出荷は、50万KLにも及び焼酎出荷(甲類焼酎、甲乙混和焼酎を含む)の6割弱を占めています。
焼酎業界では2003年に甲類焼酎を抜き去り、甲乙混和焼酎の台頭を抑え代表的存在となっていますが、ここ数年伸び悩んでいるのが現状です。
本格焼酎出荷量の推移グラフをご覧ください。
本格焼酎出荷量推移解説
本格焼酎の酒化量はS58年の第一次焼酎ブームを皮切りに右肩上がりに推移していることが解ります。
この当時は「いいちこ」「二階堂」といった麦焼酎が爆発的な人気を出し、本格焼酎が世間の人に注目をされ始めた時期になります。
平成12年の第二次焼酎ブームでは、酒税格差是正のための増税の影響ももろともせず、売上が伸びていきます。
この頃は日本酒に近い米焼酎が好調でした。平成14年に「本格焼酎」の定義が決められ施工されると共に、第三次焼酎ブームを迎えることとなります。
お笑い芸人ナイティーンナインの矢部さんの「黒霧島は美味しい!」というTV放送をきっかけに、芋焼酎ブームが幕を開けます。
甲類焼酎を颯爽と抜き去り焼酎出荷量はついに50万KLを超えることになります。
あまりの芋焼酎ブームのため原酒不足も嘆かれる中、間を抜くように甲乙混和焼酎はこのころ好調でした。
ところが平成20年の事故米問題をきっかけに、本格焼酎出荷量は前年比を下回ることになります。
平成20年から本格焼酎出荷量は下降をたどり、そのまま停滞する状況が今年も続いているのです。
停滞する本格焼酎そして問題点
実は7年もの間本格焼酎はほぼ停滞を続けているわけですが、問題は山積みです。
第一次焼酎ブームから今日までは30年の月日が流れています。ブームをきっかけに焼酎ファンになった方々はもう30もの歳を重ねているのです。
つまりその方々が焼酎を引退していけば、焼酎ファンは減少をたどる一方です。
また若者のアルコール離れ、飲酒運転など悪いイメージがつきまとうアルコール業界において、新たな本格焼酎ファンを獲得することは難儀だと言えます。
今後、どのような方法で本格焼酎ファンを獲得していくのでしょうか!?
参考記事→本格焼酎の伸び悩み 打開策は!?
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