女性杜氏が造る繊細な風味「嫋なり古酒」と「白霧島」を比較!
2015/07/22
宮崎県日南市に明治25年創業の古澤醸造という小さい焼酎蔵があります。
古澤醸造の焼酎造りを切り盛りするのは、5代目女性杜氏である古澤昌子さんです。芋焼酎造りにおいて女性杜氏は珍しいので、その造られる風味はとても興味深いものがあります。
古澤醸造のこだわり
明治25年創業という古い歴史を持つ、古澤醸造のこだわりに少々触れておきたいと思います。
麹造り
創業当時から麹蓋を使って麹造りを行います。天窓を開閉して室温を調整する自然の力を使った麹室を使用します。機械に頼らず天候と付き合いながら、麹を造ります。
土壁に囲まれた甕仕込み
古澤醸造の仕込みは、土に埋まった甕にモロミを仕込みます。甕が土壁に囲まれることによって、温度差が年間を通して出にくいので、仕込みには好条件です。
土に囲まれていることもあり、櫂入れと言われる手入れ作業も行いやすいメリットもあります。
飫肥杉の貯蔵蔵
出来上がった焼酎の原酒を寝かせる貯蔵蔵は、日南市の特産品である飫肥杉を使用して造られています。ここには、杜氏古澤昌子さんの地元産品へのこだわりがあります。
「嫋なり古酒」とはどんな芋焼酎?
このような歴史が古い手造り蔵で造られる、「嫋なり古酒」には実は、もうひとつ強いこだわりがあるのです。
それは「日南四葉会」という酒屋女将4人と女性杜氏の古澤さんの女性5人で造った芋焼酎であるということです。
造り手である古澤さんの芋焼酎造りの技術、売り手である酒屋女将が風味、パッケージ、購買時の消費者目線といった強みでタッグを組んで造られた芋焼酎こそが「嫋なり」シリーズなのです。
「嫋なり古酒」の商品仕様を見てみましょう。
3年物の古酒であり、アルコール度数が珍しい28度の本格芋焼酎です。
常圧蒸留を採用しており、タイ米を使用しています。金額は500mlで1,850円と少々お高めですが、その分風味には期待できます。
官能評価
飲み方
「嫋なり古酒」は28度の芋焼酎ですので、白霧島の25度と比較します。飲み方はロックです。
香り
「嫋なり古酒」の栓を開けて香りを感じます。古酒ならではの温厚な香りが穏やかな気持ちにさせてくれます。
華やかな香りではなく、優しいお母さんを思い浮かばせるような穏やかな落ち着いた香りが特徴的です。
安心感というか、今から始まる夕食がとてもゆったりと幸せな時間であることを感じさせられる香りです。
味わい
「嫋なり古酒」を口に含み、ゆっくりと味わいます。古酒の特徴でもある、まろやかなトロみのある口当たりがなんとも贅沢です。
「白霧島」の貯蔵期間は判りませんが、「嫋なり古酒」のほうがまろやかさが高く、よりふくよかに感じました。
甘辛度
「嫋なり古酒」と「白霧島」を比較した場合「白霧島」の方が甘みがあると感じました。「嫋なり古酒」が辛い焼酎と言うわけではありません。
後切れ
「嫋なり古酒」は後切れに、サツマイモらしさがしっかり残ります。薩摩焼酎も後切れに残るイメージがありますが、どこか「嫋なり古酒」の後切れにはしなやかな優しさが残ります。
女性杜氏がプロデュースする風味は、後切れに繊細な残味を残してくれます。
芋らしさ
「嫋なり古酒」の香りから感じる穏やかなサツマイモの香り、そして後味に残るサツマイモの風味。
「白霧島」が香りが華やかで風味がスッキリしている芋焼酎であることを考えると、異なる酒質だと強く感じます。
どちらが良いかは好みによると思いますが、芋らしさは「嫋なり古酒」の方が断然高いです。
まとめ
女性がプロデュースする芋焼酎である「嫋なり古酒」は、随所に女性らしい繊細さを感じることができました。
男性杜氏が造る芋焼酎と違って「まろやかさ」「しなやかさ」「繊細さ」「やさしさ」といったキーワードが「嫋なり古酒」を開けてから飲み切るまでに、ちりばめられています。
芋焼酎らしさはしっかりありながら、昔ながらの「芋臭い」芋焼酎とは違って、飲みやすさも兼ね備えています。
初心者でも美味しく飲める芋焼酎だとは思いますが、芋焼酎に飲みなれた位がもっと味を堪能できるのではないかと思います。
今回飲み比べに使用した芋焼酎「嫋なり古酒」はこちらから購入頂けます。
宮崎焼酎専門店 山元酒店
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