幻の芋で造る芋焼酎「蔓無源氏」と「黒霧島」を比較!
2016/03/10
「蔓無源氏」と書いて「つるなしげんぢ」と読みます。
この「蔓無源氏」とは、サツマイモの品種の一つです。「蔓無源氏」というサツマイモは、明治40年に見つかった数少ない在来品種です。
大正時代~昭和初めのころにかけては食用・焼酎用として生産がありましたが、第二次世界大戦を機に生産が減り、昭和40年頃からは収穫量が無くなりました。
この絶滅状態のサツマイモ「蔓無源氏」を復活させ造られた芋焼酎こそが、その名と同じ銘柄「蔓無源氏」です。
汎用品からプレミア芋焼酎まで、通常使われている原料サツマイモは、コガネセンガンという品種です。
芋焼酎の原料サツマイモに「コガネセンガン」が使われる3つの理由の記事で詳しく解説しています。
今回はこの幻の芋で造られた「蔓無源氏」のレビュー記事になります。
「蔓無源氏」とはどんな芋焼酎!?
まずは「蔓無源氏」の商品仕様を見てみましょう!
アルコール度数が26度
理由はよくわかりませんが、アルコール度数が26度は珍しいです。通常、25度・20度が一般的です。
老麹
老麹(ひねこうじ)を使用しています。通常の麹造りは40~45時間を要しますが、老麹になると3日(72時間)程度の時間を掛けて製麹を行います。
製麹時間を長くすることによってデンプン、タンパク質、脂肪酸などを分解する酵素をたくさん造ることができます。
よって、より風味豊かな芋焼酎が造られることが期待できるのです。
地元産の原料
原料サツマイモは銘柄と同じ国分産の「蔓無源氏」、麹米は霧島産長粒米「夢十色(ゆめといろ)」を使用しています。
それではいよいよ官能評価に移ります!
官能評価
飲み方
「蔓無源氏」はアルコール度数26度ですので、アルコール度数が近い25度製黒霧島と比較します。飲み方はお馴染みのロックです。
香り
「蔓無源氏」の栓を開けて香りを堪能します。いつもの芋焼酎の香りとは少し異なります。
穏やかなサツマイモの香りが漂いますが、少し香ばしいというか「焼き芋系」の香りです。まず最初に「焼き芋黒瀬」を思い出しました。
老麹によって、香りの成分である脂肪酸系がより分解されたのでしょう。
味わい
「蔓無源氏」を口に含み堪能します。
「トロみ」がすごいです。「黒霧島」も「トロッとキリッと」のキャッチフレーズではありますが、「黒霧島」を凌ぐ「トロみ」です。
「蔓無源氏」の風味は色々な成分が混ざり合っているせいか、甘み、酸味、まるみ、旨みなど感じることができます。
コガネセンガンの芋焼酎はシンプルな風味ですが、「蔓無源氏」で造られた芋焼酎は複雑な風味です。
甘辛度
「蔓無源氏」は甘みがしっかりあります。
ですが甘さのみでは無くて、様々な風味が絡み合っているので甘ったるくはありません。
「黒霧島」も甘い芋焼酎ですが、「蔓無源氏」の方が若干上でしょう。
後切れ
「蔓無源氏」はサツマイモの風味がしっかり後切れに残ります。サツマイモのまろやかな甘さを感じる後切れですので、余韻まで余すことなく楽しめます。
芋らしさ
「蔓無源氏」の芋らしさは、コガネセンガンの芋らしさとは全く異なりすね。コガネセンガンよりは、より酸味が強い印象です。
紅芋やオレンジ芋のスッキリフルーティーな味わいとは全く異なりますよ。
まとめ
何かと特徴が多い「蔓無源氏」ですが、このサツマイモの品種の芋焼酎は初めてですし、他にはありません。
コガネセンガンの芋焼酎よりも「蔓無源氏」は、複雑な味わいで焼き芋焼酎に似たイメージを持っています。
霧島市の地元産で造られた芋焼酎ですので、その地域の香りや味わいがぎっしり詰まった仕上がりです。
上手く表現できませんが、皆さん一度飲んでみてください!
今回飲み比べに使用した芋焼酎「蔓無源氏」はこちらです。
【芋】蔓無源氏26度… |
ブログランキングに参加中。応援をお願いします!!
人気ブログランキングへ
記事が参考になったと思われる方は、記事下のSNSシェアボタンクリックをお願いします。
スポンサードリング
スポンサードリング
関連記事
-
-
霧島のプレミアム「吉助白」と「白霧島」の比較
長く手掛けている仕事が片付いた時、給料を頂いた時など少し贅沢したい気持ちがあるこ …
-
-
白霧島と黒霧島を飲んで比較してみました。
「白霧島」と「黒霧島」は同じ芋焼酎でありながら、使用原料に違いがあることがわかり …
-
-
屋久島の銘酒「三岳」と「白霧島」を飲み比べ!
芋焼酎通の方では数年前に話題になった「三岳」をご存じでしょうか!? この「三岳」 …
-
-
薩摩酒造の限定販売芋焼酎「黒薩摩」と「黒霧島」を比較評価!
年3回(2月、6月、10月)限定発売芋焼酎「黒薩摩」を堪能しましたよ! 今回は黒 …
-
-
銘酒「富乃宝山」と「白霧島」を比較!
芋焼酎ブームで一世を風靡した「富乃宝山」という芋焼酎をご存じでしょうか!?今回は …
-
-
ムラサキマサリ対決!「吉助赤」と「赤霧島」を徹底比較!
以前「赤霧島」を超える紅芋焼酎をご存知でしょうか!?の記事で書きましたように、霧 …
-
-
「ゴールドラベル霧島」と「白霧島」を比較
「ゴールドラベル霧島」をご存知でしょうか!?金霧島ではありません。新発売された「 …
-
-
リニューアル後「白波」と「白霧島」の真剣比較
ずっと気になっていました。2月にリニューアルした元祖芋焼酎「さつま白波」を飲みま …
-
-
幻の米で造られた芋焼酎【侍士の門】と【黒霧島】を比較!
最近はいつもの【白霧島】ばかり飲んでいたのですが、久しぶりに新しい芋焼酎を飲みま …
-
-
女性杜氏が造る繊細な風味「嫋なり古酒」と「白霧島」を比較!
宮崎県日南市に明治25年創業の古澤醸造という小さい焼酎蔵があります。 古澤醸造の …