酒類課税数量から考察する「ビール類税制統一」や「18歳以上飲酒解禁」との関係性~後編~
前回の記事では、H19~H26にかけた「酒類全体の課税移出数量」の数値をもとに、「18歳以上飲酒解禁」との関係性を考察してきました。
酒類課税数量から考察する「ビール類税制統一」や「18歳以上飲酒解禁」との関係性~前編~
ポイントはH19~H26にかけて、酒類全体の課税移出数量が6%減少しており、それに伴って「酒税徴収」も減少しているということです。
それでは次に、「アルコール種類別課税移出数量」の移り変わりを見ていきたいと思います。
H19~H26アルコール種類別課税移出数量について

清酒・焼酎といったジャンルは次第に減少していっていることが解ります。
ビールの課税移出数量は圧倒的に多いのは変わりませんが、直近の8年間で22%も減少していることが解ります。
発泡酒(いわゆる第2のビール)もH19時では課税移出数量が2番目に多かったのですが、H15の増税を機に着実に移出数量が減少し、直近の8年間で49%も減少しています。
お酒の課税移出数量が減少していく中で、増加しているジャンルもあります。
ウイスキー、果実酒、リキュール、スピリッツがそれにあたります。この中でもリキュールに注目してみましょう。
直近の8年間で、課税移出数量は2倍にもなっています。果たしてリキュールとはどのようなお酒が該当するのでしょうか!?
そう!「第3のビール」こそがリキュールのジャンルに該当するのです。また近年人気が出てきているストロングゼロといった高アルコール低カロリーのお酒もリキュールに該当します。
税率が高い=販売価格が高いビール・発泡酒は減少して、税率の低い=販売価格が安い第3のビールが上昇しているということになります。
続いてH26の「アルコール種類別割合」をご覧ください。
「H26アルコール種類別割合」

一目で解るのが、H26種類課税移出数量に対して、ビールとリキュールの占める割合の大きさです。
ビール、リキュールは全体の55.8%を占めています。更にビール類の発泡酒を加えると64.8%にまで上昇します。
つまり、酒税の65%程度はビール類でまかなっているということになります。
「酒類課税数量」と「ビール類税制統一」の関係性
もうお解りの方がほとんどだと思いますが、ここからは考察になります。
酒税の65%をビール類から徴収しているのが現状です。
政府としては他ジャンルの税制を強化するよりは、ビール類の税制を上手く操作した方が、酒税徴収アップにつながるということです。
このまま税率を操作しない場合、リキュールの消費量は年々増加し、ビールの消費量は減少していくということになります。占める割合が逆転する可能性もあるでしょう。
ここで「ビールを減税」「リキュールを増税」「発泡酒はほぼ維持」という「ビール類税制統一」をはかる施策を打つということです。
多少ビールの酒税が落ちても今の割合を維持できれば、酒税の徴収量はアップするという目論見でしょう。
一方で「ビール」は世界的にも人気があるアルコール飲料です。このまま酒税逃れの開発を続けることで、各メーカーのビール技術向上がおろそかになる恐れもあります。
「一番搾り」が中国で人気がある実績もありますし、もっと「美味いビール開発」にも力を入れてもらいたい思いもあります。
「お酒」と「税金」は切っても切り離せない関係です。
メーカー側も「酒税」を意識してお酒を造らなければならない状況はこれからも変わることはないでしょう。
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