「黒糖焼酎」の製造方法を学ぶ!同じサトウキビで造る「ラム酒」との違いとは?
2016/03/03
奄美群島でしか「黒糖焼酎」を造ることが出来ないのは、前述の通りです。
奄美群島の方々の「黒糖焼酎」への思いや、「黒糖焼酎」の歴史は見ごたえのある物だと思いますね。
詳しい内容は⇒奄美大島で造られる「黒糖焼酎」の歴史と魅力!をご覧くださいね!
さて、今回のテーマは「黒糖焼酎」の造り方ですね。
奄美群島ではどのようにして「黒糖焼酎」を製造しているのでしょうか!?
一次仕込みは芋焼酎と同じ!
酒税法の条件でもありましたように、「黒糖焼酎」造りは「麹」を使う必要があります。
「黒糖焼酎」の「麹」は、タイ米、国産米、アメリカ産米等の米を用いて「米麹」を造ります。
ほとんどが「白麹」を採用しており、「黒麹」は少ないようですね。
焼酎造りにおいて、「米麹」の役割は2つありました。
- 温暖な環境でも腐敗させない為に、クエン酸を生成すること。
- デンプンを糖化させるための酵素を生成すること。
です。「米麹」を定められた量の「水」と選定した「酵母」と混ぜ合わせることを一次仕込みと言います。
これを5.6日発酵させると酒母が出来上がります。
ここまでは、芋焼酎造りと何ら変わりはありませんよね。
二次・三次仕込みに黒糖を用いる
芋焼酎では二次仕込みにおいて、蒸した(焼いた)サツマイモを粉砕して水と共に先ほどの酒母に仕込みます。
黒糖焼酎の場合、黒糖に熱を掛けて少量の水(湯)で溶かして、冷却したものを酒母に仕込みます。
蔵によっては、2回に分けて二次仕込み、三次仕込みを行うところもあるそうです。
二次発酵タンクは黒糖の茶色いモロミが出来上がります。これを15~21日掛けて、発酵・熟成させて次の工程へと移ります。
黒糖焼酎⇒本格焼酎⇒単式蒸留
「黒糖焼酎」は本格焼酎(乙類焼酎)ですので、単式蒸留機を用いて蒸留します。
甲類焼酎と乙類焼酎の違いはこちらを参考にしてください!
甲類焼酎と乙類焼酎の違いについて
単式蒸留の中でも、原料の風味が出やすい「常圧蒸留」とスッキリした酒質に繋がりやすい「減圧蒸留」があります。
常圧蒸留と減圧蒸留の違いはこちらを参考にしてください!
常圧蒸留と減圧蒸留の違いにみる焼酎の楽しみ方
「黒糖焼酎」は元々「常圧蒸留」が盛んでしたが、近年「れんと」「里の曙」等の有名どころは「減圧蒸留」を採用しています。
「黒糖焼酎」においてもスッキリした酒質が消費者の反応が良い!ということなのでしょう。
「黒糖焼酎」と「ラム酒」の違い
「黒糖焼酎」「ラム酒」共に、原料はもちろん「サトウキビ」を使用します。
「黒糖焼酎」の造り方はここまで述べてきたとおりですが、「ラム酒」との違いは大きく2つあります。
ラム酒は「麹」を使わない!
ラム酒は、「米麹」を使用せずに、サトウキビの糖蜜を「酵母」を使って発酵させるのみです。
連続式蒸留機を採用しているところが多い
「ラム酒」は、本格焼酎のカテゴリーに属せずに「スピリッツ」の分類に入ります。
となると、コストや手間が掛かる「単式蒸留」よりも甲類焼酎でお馴染みの「連続式蒸留機」を採用しているところが多いです。
米麹って必要なの!?
勘が良い方はお気づきだと思いますが、「黒糖焼酎」における「麹」の存在は、そこまで必要ではない!?という話になりますよね。
前述の通り「デンプンを糖分に変える酵素を生成すること」が麹を造る目的の一つです。
ですが、黒糖は既に「糖」なんです。
ですから、「ラム酒」は「米麹」がなくても造れるのです。
少々無駄なような気もするのですが、「黒糖」に含まれる複雑な構造をしている糖分の分解に寄与している!という話もあるようなんですね。
また、米麹由来の風味も「黒糖焼酎」の魅力です。
本当の理由は酒税法上の「麹を使うこと」という条件が大きいとは思いますがね。
このようにして「黒糖焼酎」が出来上がりますが、そのまま私たちの手元に届くと思ったら大間違いです。
その辺は「黒糖焼酎」の風味が異なる2つの理由!ヒントはクラシック音楽!?の記事で解説致しますね!
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