知る人ぞ知る銘酒「月の中」と「白霧島」を徹底比較!
2016/03/10
宮崎県西都市の小さな蔵「岩倉酒造場」で造られる「月の中」という芋焼酎をご存知でしょうか!?
今回は「月の中」と「白霧島」を徹底比較していきたいと思います。まずは、「月の中」の商品仕様を見ていきます。
「月の中」はどんな焼酎?
商品仕様を見てみると、普通の白麹製の本格芋焼酎です。宮崎県の芋焼酎でアルコール度数が25度なのが珍しいぐらいです。
ですが、「月の中」はただの芋焼酎ではございません。
「月の中」の魅力
岩倉酒造場は、家族4人で「月の中」を造っています。地元産の鮮度が高いサツマイモにこだわり、手作業で芋洗いから芋蒸しまで丁寧に行います。
特にサツマイモの選別作業は、一つ一つしっかり目で見て、悪いところや変色しているところはトリミングします。
「月の中」は麹造りから始まり、仕込み、蒸留、瓶詰、出荷までほぼ家族4人で行う、正に「手造り感満載の芋焼酎」なのです。
天塩にかけた子供のような造りを行う「岩倉酒造場」では、たくさんの仕込みはできませんので、年間300石(一升瓶30,000本)しか製造していないのです。
霧島酒造が造る芋焼酎は一日400石×4工場でしたので、その数量の違いは絶大です。
本来は「白霧島」と比較することもどうなのか!?とも思いますが、今回はこのブログのベースである「白霧島」と「月の中」を飲んで比較させて頂きました。
官能評価
飲み方
「月の中」は25度製ですので、白霧島は25度製を準備しました。飲み方はロックです。
香り
早速「月の中」の香りを嗅ぎます。実は今回、2007年に購入した月の中をついに開栓したのです。
2007年に詰め込まれた香りが、私の鼻から余すことなく入り込んできます。華やかであり、かつ芋らしさを兼ね備えたとても心地よい香りでした。
「白霧島」の華やかさと同等でありますが、「芋の香り」という点では「月の中」の方が存在感がありました。
味わい
「月の中」を口に含んで飲み込んだ瞬間「美味い」と口走ってしまいました。
何でしょうか!?サツマイモのふくよかさも兼ね備えながら、決して軽々しくない味わいです。直ぐに次の一口が恋しくなりました。
甘辛度
「月の中」は甘みがある芋焼酎です。「白霧島」の酵母に起因する甘さというよりは、素材の甘さが生きているというイメージです。
「白霧島」は終始甘さを感じますが、「月の中」は口に含んで飲み込んだ瞬間まで甘みが残り、その後スッと消えていく甘さです。
後切れ
「月の中」の後味は「白霧島」ほどスッキリとはいきませんが、サツマイモの余韻を楽しむことができます。薩摩焼酎特有の強い芋の残味はありません。
芋らしさ
「月の中」は芋らしい焼酎だと感じます。「井戸水」で仕込まれたことも良い役割をしているのか、とてもまろやかなサツマイモの風味が楽しめます。
「白霧島」は、芋らしさが控えめですが、「月の中」はサツマイモの良さを逃がしていない!しっかり瓶に詰まっているそんな感じがします。
何でしょう!?家族4人で造っている芋焼酎への愛情が、余すことなく「月の中」に取り込まれているイメージでしょうか!?
まとめ
「月の中」と「白霧島」は同じ白麹を使いながらも、全く異なる味わいです。
「月の中」はサツマイモの風味が岩倉家族の愛情と共にふんだんに詰め込まれている芋焼酎なのでしょう。
芋焼酎は、地域や風土を回想するのにとても優れた飲み物だと思います。
「三岳」もそうでしたが、「月の中」も造られているその土地がとても自然に恵まれ、芋焼酎にとって見合った環境で造られているのが伝わってくる芋焼酎です。
「物」に愛情を込めて消費者に届けることが大切だ!と痛感させられる芋焼酎でした。
「月の中」を飲むことで、ただ単に「好き」とか「美味しい」では無くて、「物造りに込める思い」を考えさせられました。
皆様も、ただ芋焼酎「月の中」を飲むのではなくて、「月の中」に詰まった何かを心で感じて欲しいと思いました。
残りの「月の中」も大切に飲ませていただきたいと思います。
今回ご紹介した「月の中」はこちらです。
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Comment
確かにそうですよね。全く異なる味わいです。
同じ麹、同じ芋を使っているのにここまで違いが出るのって本当に凄いなと思います!
芋焼酎は奥が深い。
そして酒造の生産量大変勉強になりました。そこまで違うとは全く知りませんでした!
ギャリさん
いつもコメントありがとうございます(^^)
ギャリさんオススメの「月の中」本当に美味かったです!
これからも有益な情報を提供できるようにがんばります(^^)